LED照明を採用する、また従来照明から切り替える場合の問題点

省エネ、節電のシンボルとしてLED照明が非常に注目を浴び急速に拡大しています。

message_img_01しかし、従来の照明をLEDに置き換えるだけで消費電力が下がれば省エネになりますが、快適な照明空間と言えるでしょうか?

照明は部屋を照らすことだけが役割ではありません。人が心地よく快適に感じることで、その空間の中でリラックスでき、また業務の効率を上げることができるのです。つまり、省エネを追求する事で、照明空間の心地よさ、快適性が犠牲になってしまっては意味がないということになります。

震災の直後は、電力事情の悪化により節電の名目で照明の消灯や間引きが行われましたが、生活するにおいて支障が生じたり、不快に感じたりしたのは、節電・省エネのみを追求してしまった結果です。

LEDの光は指向性があり、直線的に出しますので、照明器具の構造設計や、空間への設置の仕方も工夫が必要です。

 

人が心地よく感じ、しかも省エネな空間作り

message_img_03人が快適・心地よく感じる空間を確保し、省エネを目指すことが照明に求められます。しかし、この両立をどのように行えばいいでしょうか?

照明は空間を明るく照らしますが、そこに居る人がその空間をどう感じるか?はそこに設置された照明がどのような性能か?で決まるものではありません。

その理由は、人は設置された照明そのものを見て快適かどうか感じているのではなく、空間を構成しているインテリアである家具、壁、床、天井などから反射される光全体のバランスで気持ちがいいかを感じています。

この感じ方は住宅、オフィス、店舗、飲食店、などその空間の用途ごとに最適性は違いますし、照明デザイナーによるデザインも大いに影響します。また、個人差もあります。

 

快適な照明空間は照度でなく輝度で決まる

case04いずれにしろ、照明の空間における快適と感じる明るさは、照明器具から出力される光の性能値である光束や照度ではなく、空間を構成するあらゆる面から反射される光、つまり輝度値で判断することが必要ということになります。

また、人は光を感じるときに、反射した光そのもの量だけでなくその周りの影響や順応・対比も影響し明るく感じたり暗く感じたりします。したがって単純な輝度だけで議論するのも不十分です。

 

快適で省エネを両立する照明空間の検証ソフト“REALAPS”

consulting_A01人の光の感じ方をうまく利用することで、明るさ感を確保しつつ、省エネを目指す事ができますが、そのような空間を作り上げるために、どのような照明器具をどう配置すればいいか、またその照明空間が最適か、をどのようにシミュレーションすればいいでしょう。

今までの光の測定方法だけでは困難な、この検証を行う事ができるソフトがREALAPSです。人が感じている光がどのようなレベルか?がデジタル的に画像で表示され、色のバランスを分析することで一般的な快適性を判定することができます。